好田矯正歯科/歯列と歯ならびの治療

上顎前突症の上顎前歯の後退と口元の変化（矯正歯科学講座 第22回）

患者さんの　”ナルちゃん”　から言われて気がついたが、全然更新していなかった。

今日も良好なお口元の改善を達成した治療例の紹介をする。

 

左：治療前
右：治療後

お口元の前への出方が著しく後退している。　だから、お鼻が高くなったようにも見える。
赤唇といって唇の赤い部分のことだけど、これが薄くなっている。　オトガイ部分が下に伸びたようにもみえる。
ご本人少しやせられたようで首元も含めて、とても引きしまった印象になっている。
この方、元々すごくきれいな方だったが、更にいっそうきれいさが増したようにみえる。
うーん、周りの女性はきっとうらやましがるね。
当然、男性もほとっとかない。

 

左：治療前
右：治療後

上顎前歯が後退させることができている。　
この方の上顎前歯2本はセラミック製の人工歯だ。　この上顎前歯の傾斜度は正常に近い。
これは難しい。
矯正歯科の治療では、前歯を内側に傾斜させて治すことが頻繁に行われる。　その治し方は易しい。
従って、元々から上顎前歯が前向きに傾斜して、”出っ歯”　状態のものほど治し易い易しい症例なんだ。
ところが、この症例のように、上顎前歯の傾斜度が正常に近いものは、前歯を平行移動で後退させることになるので、極めて高度なテクニックが要求される。
このような移動様式を歯体移動（したいいどう）という。

このケースはまさにその移動が完璧に行われたものである。
上下顎ともに第一小臼歯を抜歯している。　葉の数を数えれば犬歯の後ろで1本づつ減っているのがわかる。
治療後の上顎前歯の根元がいやらしく黒いものがのぞいている。　人工歯と歯との付け根の部分が露出しているのだ。
矯正で歯を動かすと人工歯はこのような結末に至ることがある。
だから、前もっての知識が必要だ。
それにしても、せっかくの自分の歯があるのに、わざわざ削って人工歯にしたのが誤りだと思う。
いまさら言っても仕方がないけどね。
でも、そういう反省をしている矯正の患者さんは多いですよ。

この症例のように、上顎前歯を後退させて審美的な改善を目標にする場合には、
下顎の歯が先に内側に入らなければならない。　そうしないと、上顎前歯が後退できないからだ。
この方の下顎前歯の傾斜を見ていただきたい。
左右の写真での差が歴然だと思う。

次に、奥歯の咬合状態を触れておく。
この方の治療前の状態は、CLASS II　と呼ばれる状態だ。　治療後はCLASS I に変化している。
右の写真の状態が、矯正歯科の治療で目標とされる咬合状態だ。

　"ナルちゃん"　わかったかね？

 

ブログを作ったことを忘れてました。

多分、５年ぶりの更新か・・・。

本日の診療終了

‎1月6日の診療は終了しましたが、初日から1時間の残業になっ​てしまいました。
ヤレヤレ先が思いやられるなあ・・・。

新年のご挨拶

あけましておめでとうございます。
当院は、本日1月6日より診療を開始します。

第70回日本矯正歯科学会が終了しました。

参加しました。といえば、そうだけど。
まあ、行っただけということ。
何か発表して、自分から能動的に参加しないと物足りない！

 

近畿矯正歯科研究会への発表が終了しました

9月11日　日曜　近畿矯正歯科研究会が千里ライフサイエンスセンターで行われました。

私はこの会は4回目です。　この会へのレギュラーメンバーとしての参加条件は、2症例を展示することです。今年はレギュラーメンバーは40人位の人が80症例を展示しました。　いろんなテクニックがあって、いろんな症例を見ることができるのでとても興味深いものがあります。　今年は、会長に命じられて講演をする機会も得られましたので、準備のためにとても暑い夏になりました。

上顎前突症の治療前後の口元の変化（矯正歯科学講座 第16・17回）

上顎前突症の治療前後の口元の変化

この方は成人女性で口元の突出を主訴として矯正歯科治療が開始になりました。

上記の斜めからの写真の通り、御口元が出ています。
この理由はその下にある歯も出ているからです。
それを無理やりに閉じようと努力します。　ところが、唇が伸びるには限界があります。
それでも、ご本人はさらに力を入れて唇を閉じようとします。
そうしないと、歯が出ているのが見えてしまうし、いつも口をあけているように見られるからです。

その結果、オトガイ部分の筋肉（オトガイ筋と言います）が過緊張になります。
この方では、たまたまオトガイの部分が赤く丸くブツブツして、
まるで”梅干し”みたいになっています。
だから、お口を閉じたときにこの梅干しがオトガイにできる人は、上下の歯が出ている可能性が高いのです。

次は横顔の写真です。
 

左は無理やりに閉じていただいたところ。
右は御口元の筋肉をリラックスさせてできるだけ力を抜いていただいているところです。

左の写真から、下唇が前にでてまるで受け口のようにも見えますが、
実はそうではないのです。
これは上下の歯が出ているのです。
特に上顎前歯の先端が下唇を前に出す原因になります。
さて、オトガイは丸く膨らんでいますね。　そう　”梅干し”ですね。
ところが、オトガイがありません。　まるで鳥の口ばしみたいでしょう？
バードフェイスなんて呼ばれることがあります。

右の写真から、お口をリラックスしてもらって筋肉の力が抜けると、
先ほどの　”梅干し”　が消えてしまいます。
オトガイのラインが先ほどの写真よりも目立ちますが、オトガイが十分にあるようには見えません。

矯正歯科の治療前の診断にはこのような項目が入ってきます。
このような方には、上下の前歯が内側に入るような治療が望まれます。
これは難しい検査を必要としません。
初診の相談でお話していることです。

 

上顎前突症の治療前後の口元の変化

前回（上記）のつづき、この方の治療結果
くれぐれも言うが、これは16回の人と同一人物だからね



 治療前にあったオトガイの”梅干し”が消失した！
 お口元の前突感はおおきく改善されたと思う。
特に、唇の赤い部分”赤唇”部分が薄くなったように見える。　これも大きな改善だと思う。

うん、とても自然な感じです。
無理をして口を閉じている感じがしないので、周囲の友達は安心感を感じるかもしれません。
なぜって？
そりゃ、以前のように歯が出ていて、それを唇で隠そうとしている姿、それは周囲の友達たちは皆なんとなく気が付いていたはずです。
治療の結果、あなたが隠そうとする姿を見なくて済む、それだけで周囲には安心感になると思いませんか？

左は無理やりに閉じていただいたところ。
右はお口元の筋肉をリラックスさせてできるだけ力を抜いていただいているところです。

治療前の写真には、こんなにオトガイはなかったはずです。
上下の前歯が内側に入れば、これほど唇に良い影響を与えます。
オトガイの状況は左右の写真でほとんど差がなく、自然な感じがあります。
治療前の　”梅干し”　が信じられません。
まったく、別人でしょう？
でも、本人はこの変化を十分には気が付いていないが・・・・。

ともかく、”この方はすごくきれいになった。”　それは間違いない。
これからの人生は変わると思う。
どんどん、いい恋をしていただきたい。

ところで、これは抜歯による治療である。
これが好田矯正歯科の治療だぞ！

何度も言うが、これは16回の人と同一人物だからね。

遠路はるばるお疲れさまでした！

今日は、松江から患者さまがお越しになった。
とてもとても遠いところから、ほんとうにお疲れさまでした。
できるだけのことはした。　ほんとうに全部した。

前回は初回だったから相談だけだった。
前もってメールで問い合わせをしていただいていたら、相談と合わせて検査までを１回の予約でしてしまうことも可能だったのに残念だった。

そこで、今回は検査と装置の作成をできるところまでした。
検査結果の診断はどうするかって？
レントゲンの評価は今日すぐにして決断した。
できていないのは模型だがなんとかなる。
それで装置作成までいた。

次回の予定は、残りの装置作成して、矯正用インプラントアンカーの埋入を考えている。

 

 

 

近畿東海矯正歯科学会への発表が終わりました

 

　すでに２週間も以前のことになるが、近畿東海矯正歯科学会が大阪大学の吹田キャンパスで行われた。
私も症例展示で発表したよ！　症例展示はこれで連続１１年連続だ。　今年のはアグレッシブに攻めた症例だったので、見る人たちにそれなりに衝撃と印象を与えたと信じる。

　矯正歯科では、上記のような治療前後の変化を詳しく判断するためにスーパーインポーズを作る。
日本語では”重ねあわせ”という。　これは治療前後のレントゲンに薄いシートを被せて、骨や歯の解剖構造に従って正確にトレースしてゆく。　そして、その２枚のトレースを重ねあわせると治療の効果が可視的になる。　黒は治療前、赤は治療後、緑は２年後の経過観察、と決められている。
　この症例では、３色あるので３枚のトレースが重ねあわされていることになる。　小児から成人まで長期に治療が行われたら、トレースが複数枚数重ねられることになる。

　上顎前歯が大きく後退しているね。

 

 

こんな本が出来上がりました！

 

皆さま、お久しぶりです。
上記の　”インプラント矯正アトラス”　という本が出来上がりました。
私も共同執筆で症例を一つだけ入れていただきました。
福山の小川先生、私の一級下の後輩ですが、秀逸な症例を出しています。
私は基本的な使い方をした症例を執筆させていただきましたが、他の先生に比べると
もう少し難度の高い症例を出しても良かったかなあ、と後悔があります。
この本は、まだ販売ができません。
医療承認ができていない商品を商業的に推進するができないためです。

 

Bolton 分析（矯正歯科学講座 第23回）

先週の木曜日、4月7日に大阪歯科大学歯矯正学講座会で講演をした。（させていただいた。口演だったかも）
１時間半近くしゃべっていたようだった。　あっという間に過ぎたが、心底疲れた。

 

 この話は以前、矯義説堂でプレゼンしたことがある。
しかし、タイトルは同じでも内容はうんとアドヴァンスされていたはずだ。

 
と

 
の二つの表現が定義されている。
普通は定義２が知られているが、定義３は軽視されていることが多い。

 

Endo　T は、このように述べている。
つづく。