ヤコペッティ先生主催の勉強会が3月に行われた。
もう、だいぶと以前の話になる。
上記はその時に私が話したタイトル。この日はとて暖かい日だったので、皆途中でダレぎみ。
さて、歯の移動の中で一番難しいのはどんな動かし方か? それは、
①圧下-----------歯を長軸方向に骨に向かってめり込ませる、歯の全周の骨が抵抗になるので移動は最も困難とされてきた。
②歯体移動------歯を平行に移動させる。歯は傾斜で動くことがほとんどで、平行に移動させるのは難しい。特に歯根の先をコントロールするのが難しいので、傾斜移動になってしまう。
発表の中の第一症例。
黒は初診、赤は終診。
上顎前歯は、ほぼ平行移動で後退している。 これはすばらしいんだぞ!
おまけに、圧下まで可能となっている。
しかも、上顎大臼歯の位置に全く変化がない!
前歯をこのように移動させると、上顎奥歯が前方移動していまうことがほとんどである。
それが全く抑制されている。 素晴らしい成果だと思う。
こんな治療結果は、そうそうは見られない。
口腔内写真を見ていただく。
Deep overbite だ。噛み合わせが深いことをさす言葉。
上顎前歯の傾斜は悪くないけれど、ねじれている。
かなり、難しい。 逆にいうと、前歯が傾斜して出ている方が治療はやさしい。
なんとなれば、歯はすぐに傾斜移動しやすいから。
下は治療後の写真。 3年4月もかかった。
overbite は正常になった。 下の前歯が見えてきている。
上顎前歯の傾斜は、初診とほとんど変化がない。
この変化がない、ということに凄味がある!
治療期間は決して短いことはないが、治療難度の高さからすると適当な期間と思う。
治療結果が素晴らしい。
しかし・・・・・。
勉強会の参加者にその値打ちがわかったかどうか・・・・。
でも、患者さんはよくわかってくれている。
お口もとの変化。
左は初診、右は終診。 オトガイの形が変わりましたね。
上唇のカーブが緩やかになって、突出感がへりました。
お見事!
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